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キャメルンからの手紙・連載(バックナンバー)

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キャメルンからの手紙

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キャメルンからの手紙バックナンバー(アーカイブ)

◆キャメルンからの手紙◆第39話

「ママとして今だから伝えられること の巻」

文章:空羽(くう)ファティマ 絵:NALE(ナイル) 

 

 寒さが続く朝、忙しい娘の準備を助けるためにパパが着替えを用意した。それを着た娘が内緒話で、「ママー、パーカーの下、タートルシャツと下着だけだよー」と私に服をまくって見せてきた。すごく寒い朝はパーカの下にベストを着せてるから、ベストを着たいという意味だとわかった私はベストを取りにいった。
そのとき、ゴミ出しの準備をしながらパパが玄関から叫んだ「早くしろー。寒いんだから、登校班のみんなを待たせるなよ!!」
「今行くー!寒いらしいからベスト持っていく!」と二階から私が言うと娘はパパに気を使って、「寒いとは言ってないし」とごまかした。
パパに用意してもらった服を、これじゃあ寒いと、文句つけたら、「だったら、自分で用意しろっ」とパパに怒られると思ってごまかしてしまったのだろう。
でも、それって、カッコ悪いじゃないか!?
人のキゲンをとるために、びびるなんて、だめだ!!
私はいつも、娘に「堂々としてなさい。人目を気にせず堂々と生きないと自信をもてない人になってしまうよ」と教えている。
学校から帰ってきた娘を座らせて目をみて話すことにした。
「朝のこと、どう思う?」私が聞く。「堂々と出来なかったと思う」娘が答える。

「そうだよね、パパに怒られたくないから、ごまかしたの?」「うん」「そうしちゃった自分は好き?」「スキじゃない…」「そうだよね。今はインフルはやってるし自分に自信持てない生き方してると心と体の力が弱くなって免疫力もなくなっちやうよ。自分を好きになれることをしようよ」「…ワカッタ」
そして私は娘の頭をなでた。
こうやって、失敗してひとつづつ、彼女は学んでいくのだ。
それでいい。失敗したからこそ、学べる。みんなにほめられるイイコになんてなってほしいとは、ママは願ってない。あなたが自分を大好きだといえること、それがあなたの生きる力、自信、になることをママは信じている。
そのうち、こんなに素直にママの話は聞かなくなるだろう。だから今のうちに、大切なことはきちんと言葉にして、目を見て、伝えておきたい。
いつか反抗期になった時、心の奥から、行くべき道を教えてくれる天使の種を、今、ママは彼女の心に植えている。

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◆キャメルンからの手紙◆第38話

「嘘という砂で作られた城を美しいと絶賛した私達 の巻」

文章:空羽(くう)ファティマ 切り絵:海扉(かいと)アラジン 

 

 

 現代のベートーベンと呼ばれた佐村河内守さんは楽曲は別人が作り聴力も失われてなかったニュースは人々にショックを与えた。耳鳴りと頭痛と歩くこともままならぬ闘病生活の中で聴力のない彼が絶対音感を頼りに作り出す曲とその生き様に人々は感動し癒されてきた。だから世の人が怒るのもわかる。けれど曲そのものに感動したのなら…あのヒロシマという曲を聞き戦争の怖さを知ったり原爆で受けた苦しみに想いをはせたり心を動かされたのなら作者が誰であろうとそれは別の事なのではないかと思う。考え方1つで物事は変われる。お正月休みが半分すぎた時「休みはまだ半分ある!」と思える人と「もう半分も過ぎてしまった」とがっかりする人ではたとえ同じ毎日を過ごしても日々の幸せ感が全く異なる。肝心なのは起きた事自体よりもそれをどう自分がとらえるか、だ。小説も映画もディズニーランドも創作の世界で嘘といえば嘘となる。もちろんそうと知って自分からだまされる時と今回の様な事は同じではない。ただ、こういう考え方もあると思う。英雄から嘘つきとして後ろ指をさされながら生きていくであろう彼は天国から地獄へ落ち病気も全て嘘だとしてもこの大きなストレスでは体調も悪くなるだろう。でもずっと隠してきた秘密がばれた今はいつ世間に知られるか常に不安だった時よりある意味、楽になれたかもしれない。私の著書キャメルンシリーズの10作目「自由」は人間なら誰もが持つ心の弱さをテーマにした本だ。お金と自由を得る為に月との約束を破った男の話は今回の事件とだぶった。葛藤の末に男がつかんだものとは…?(本文より)『 俺はさ、自由というものは形じゃない事を知らなかったんだ。本当の自由を得る為には自分に後ろめたくてはダメなんだね。月との約束を破りずっと心の奥にあった負い目を忘れる為にどんどん金が必要になった。ぜいたくをする事で自分をだまし真実から逃げ気をまぎらわせようとした。でも心のヒダにへばりつくような罪悪感は消える事はなかった。あの負い目こそが俺の自由を奪う牢屋だったと今は思う。そう、俺の自由を奪っていたのは俺自身だった。たとえ貧しくとも自分を誇れる生き方をしていたなら堂々と生きられたのに。自由は心の中にしか存在しない幸せの青い鳥だった。
俺はそれを金で買おうとした。もうあの牢屋には戻りたくない。本当の自由というものはどんなものにも邪魔されない風の様なものなんだね 』 と本の中で男は語るのだけど佐村河内さんもきちんと責任を取った上でこの壁を越えて偽りの称賛ではなく堂々と胸をはれる人生をふりだしに戻って歩きはじめてほしい。この事件は私達にも多くの事を考えさせてくれた。曲そのものを見ず彼の作りあげた嘘を着せて聞く曲の方が価値があると評価してしまった私達側にも責任はある事も。誰が作ったかではなく曲そのものを感じられる力を大切にしたい。

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◆キャメルンからの手紙◆第37話「タカオジージ式 お年玉 の巻」

文章:空羽(くう)ファティマ 切り絵:海扉(かいと)アラジン 

 

 

 私の実家のジージから6人の孫達へのお年玉のあげ方はちょっとユニークだ。ティッシュBOXより少し大きめの箱にコブシ大の穴を開けその中に入っているお金をつかみ取りした分がもらえるというスリルとワクワクのゲーム式のお年玉なのだ。日本のコインの他にジージが行った海外のコインも入れてあり日本円に換算してもらえるというインターナショナルなものだ。順番が来た子供はそれはもう必死になってなるべくたくさんの500円玉を手の中につかもうとする。(箱は年令に応じて2種類用意してあり年の大きい子供の箱は500円玉が多めに入れてある)そして「もうこれ以上はつかめないっ!!」って思ったらお金をめいっぱいつかんだ手を箱から急いで引き抜き机の上にジャーっとお金をばらまく。その後は回りでヤンヤヤンヤ言ってた子供達があっという間に500円玉の山、100円玉の山、と分けて合計いくら取れたかを見守っているジージに報告するのだ。ジージは合計額をノートに記入し、取り出したお金は次の人も同じ平等な条件でトライする為に又元の箱に戻す。そして全員が終わったらゲットした金額をジージバンクから受け取る…というのが毎年恒例となっている本木孝雄があみだした大好評のお年玉のあげ方。運もあるしスリルもあるしやってる本人だけでなく回りで応援する子供も一緒に盛り上がれるのがいいよね。フツーお年玉は大人が金額を決めて子供は受け身という形式だからこのやり方は自分で自分のもらう額を決められるのだ。そこがドキドキ、ワクワクなのだ。ジージはノートに毎年のその子の金額を記録してあり「ハイ○○ちゃん。去年より○円UPしました!」とか「ハイ○君、去年より○円少なくなりましたあ〜。ザンネンっ!」とか報告もされながら今年のお年玉を渡されるのでその度に子供達からコーフンした声が上がる。ちなみに娘は2751円で去年より27円UPした!と喜んでいた。ハハハ。ちょこっとでも上がれば嬉しいものらしい。今年は大人も参加を許され私は¥11530彼は¥14843のカセギだった。実際やってみたらお金は意外にうすいのでなかなかつかめず見ているより難しかった。みなさんのお宅でも来年はよかったらやってみて下さい。特にタカオ印の特許は取ってないらしーので…。

 

そんな元旦から始まった2014年。今年も朗読コンサート&講演とキャメルンシリーズの本を次々に出版していきます。12作目はトラウマを癒す本として小説形式で出す予定。

2月15日は連雀町の福カフェでこの季節にぴったりな雪の結晶をモチーフにした切ない恋のお話「言葉」の朗読コンサートをします。学校関係の依頼が多いのですが大人が楽しめる朗読コンサートを今年はふやしていくつもりです。「いろんな事はあるけれどそれでも生きてるって素敵だな」と思える時間を1人でも多くの方と共有できたら幸せです。

美しい音楽と切り絵と作者ファティマの読む朗読会でお会いできるのを楽しみにしています。

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◆キャメルンからの手紙◆第36話「今、私達が守るべき大切なもの の巻」

文章:空羽(くう)ファティマ 切り絵:海扉(かいと)アラジン 

 

 

 ネット中毒はアル中より薬中より健康に直に害はそうはナイ、と思ってやっている分、立ち直るのが難しいらしい。ラインという友人達とのやりとりをするメッセージの返信をする為に一日中スマホを手離せない中・高生がふえている。

少しの間でも返信をすぐにしないと無視したとか、なまいきとか思われて友人達から仲間はずれにされるという。熱中して読書や勉強をして返信しなかっただけで次の日学校に行くと誰からも口をきいてもらえないなんて…。ありえない!

一体この世の中はどうなってしまったのだろう!?そんな表面だけの友人関係を続ける虚しさは各自みんなわかっているはずだ。でも1人ぼっち、のけ者にクラスの中でなる恐怖から、もくもくと返信を続けるしかないのだという。

お風呂にもトイレにも、まるで命綱のようにその手の中には四角いソレを常に持ち続ける日々…。

たしかにその時代は特に仲間 ハズレになるのは何よりもつらいだろう。学校は牢屋の様につらい地獄になってしまうのもわかる。昔だって1人の子を仲間はずれにすることはあった。でも家に帰れば自由は得られた。

家に居る間も常にビクビクしていなくちゃならないなんて、どう考えても変すぎる!おかしい!!ケンカするなら堂々と面と向って一対一ですればいい。ネット上で1人をいじめるなんて絶対インケンだ。

意見が違う時はとことん話し合って、時にはケンカしてぶつかって、そして仲直りして…虚しさを感じたりわかり合えて嬉しくなったりして人は大人になっていくものではなかったか? 友情はそんな風にして深まっていくものではなかったか? 

「走れメロス」ほど熱い友情を持てとは言わないけれど今はこの状況はあまりにもひどすぎる。スマホという文明の利器に人間があやつられている。文明は人間の生活を便利に豊かにする為のものでなくてはならないはずだ。私は、せめて中学を卒業し生の会話で友達ときちんと会話が出来る表現力と理性を学べる迄はライン上の会話はしない方がいいと思う。

ウザイというたった3文字で今まで友達だった1人をイジメるなんて幼すぎる。なにがどうウザイと思うのかきちんと文にして伝えるべきだ。もっと人間的なつきあいしようよ。きちんと相手の目をみて生の言葉で話そう。そのお手本をまず私達大人がみせよう。楽しく読書する姿をみせ表現力を身につけさせ子供に、もっと話しかけ会話の楽しさを伝えよう。私達はロボットでなく生身の赤い血が流れている生きている命なのだから。もっと感情を伝えて気持ちを表現しよう。もっと人と近くでつきあおう。これ以上SFの世界のような寒々しい世の中にしたくない。便利さだけを求め人間は原発を作りその後始末に今こんなに頭をかかえている。もう同じ過ちはやめよう。目先の欲だけを追い一番大切なものを失うのはやめよう。温暖化の為の異常気象に私達自身が苦しめられている今…とりかえしがつかなくなる前にもう一度原点に戻ろう。

心ある人よ。耳ある人よ。

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◆キャメルンからの手紙◆第35話「Take it easy! 〜のんびりいこうよ〜 の巻」

文章:空羽(くう)ファティマ 切り絵:海扉(かいと)アラジン 

 

小学生の娘の友人のママ達はほとんど30代。でも私は遅い初産だったので51歳。子どもたちはよく自分のママの年を言い合い、1歳でも若いママだとうらやましがる。私が子どもの頃もそうだった。

 

私は若さだけに価値があるとは思っていないが、小学生の娘はママが他のママ達より年がかなり上の事を恥ずかしがったりして隠したくなるのかなぁ、と思っていた。でも娘は堂々とママの年を友達に言って驚く友達の反応がおもしろいと笑っていたと聞き、安心して「たいしたものだなぁ」と思った。

 

子どもたちの世界は大人以上にみんなと違う事を差別したりする事はよくあるからだ。個性が大事といいながら、日本が一番大切にしているのは協調性だと学校教育をみていると常々感じていた。娘には「堂々と生きられる事が何よりも大事」といつも教えていたので、小学生ながらに他のママよりずっと年上のママの事を堂々と言える事は、彼女がこれからいきていく上での力にもなると思った。

人がどう思おうと自分が良いと思う事は胸をはれる生き方…。口で言うのは簡単だけどこれってかなり難しい。だからイジメも後をたたない。

YesをYesと言い、NoをNoと言う。

 

みんなが味方してくれなくても、自分が自分の味方になり続ける。それが出来る人を強い人と私は呼びたい。

娘のテストを見たら「協力」の「協」という字の右側に力が4つ並んで「」と書いてあった。気持ちはわかるけどね…、といいながら笑い合った。

まだ彼女はわからない事はたくさんあるし、学ばなくてはならない事もたくさんある。けれど堂々と生きる軸さえぶれずにいられたら、あとのことは少しずつ学んでいけばいいと思う。


大人の中にもよく、「これは人には言えない事」と後ろめたい想いを持ち続けている人がいる。でも聞いてみると本人が思っている程大きなことではない事が多い。「恥」と決めつけ長年心の中に葬ってきた事を今もう一度陽の前に出して、本当にそこまでひどい悪い事だったのか?と見つめ直してみると、案外、時が経つとたいしたことじゃなくなっている事も多いと思う。肉親とのいさかいや夫との口論。たいていは人との意見の食い違いによるものや失敗談だろう。けれど私達はこんなに長くしぶとく人生を生き抜いてきたツワモノだ。そんな小さな失敗や争いなんて本当はチョイと捨てていい位小さなものなのかも?です。

 

まだ半世紀しか生きていない未熟者の私が言うのは生意気ですが。自分が思っている以上にたいていの事はたいしたことないのだろうなぁ…、と私自身思う事が多い今日この頃です。それでも心のストレスは体に出るし、私も辛い事が起こると左腕のシビレが出てきます。心と体をよしよししながら今日生きていられる事に感謝していつもより深く息を吸う。そんな感じで明日を迎えたいと思っています。

明日が必ず来る保証はないと日々起こる事件で感じます。明日を迎えられる事は奇跡なのです。このヘビーな現代では特に。「おはよう」と言える事は奇跡です。

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