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キャメルンからの手紙・連載(バックナンバー)

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キャメルンからの手紙

キャメルンからの手紙バックナンバー(アーカイブ)です。

キャメルンからの手紙バックナンバー(アーカイブ)

◆キャメルンからの手紙◆第54話

【"「学校行かない」と言われたら"の巻】

文章:空羽(くう)ファティマ  切り絵:海扉(かいと)アラジン  絵:T君

 

 夕食はキャメルンスタッフの家族と一緒にぞうさんちと呼ばれているシェアハウスで食べるのが日課。一人っ子同志の子供達も兄弟の様な存在となっている。

そのT君が学校に行かないと言いだして働いているママは無理やり学校に行かせたと聞き明日も行きたくないと言ったら家に連れてきていいよ、と私が言った。

次の朝も行きたくないと言ってT君は家に来た。理由を聞いたがはっきりした理由はないようだ。入学してまだ1ヶ月なので幼稚園とのあまりに違う生活にとまどっているかも。でもこのまま不登校になる事も考えられる。シリアスになりすぎず、慎重に彼と向かい合おうと思った。学校での話を聞いていく内に理科で朝顔を育てているというので「その朝顔の赤ちゃんに会ってみたいなー。ファティマに紹介してくれる?」。だまってるT君。「その子のお名前つけようよ。何にしようか?」「…バブちゃん。」「かわいいお名前!もっと会いたくなっちゃった。会わせてよー。」「イーヨ。」と答えたが動かないT君。話題を変える事にする。「あっそーだ!学校の図書館に愛梨ちゃんの絵本を寄付するのについてきてくれる?サインするからT君も荒牧小のみんなへって書いて」筆ペンを渡すと覚えたてのひらがなで「あらまき」とかいた。「しょうのみんなへ」はT君の手を持って一緒に書く。「上手だねー!こんなに上手に書けたから校長先生に渡したらきっとほめてくれるね。校長先生とお話した事ある?友達になってこようよ」(男の子はヒーローものが大好きなので1番強い存在にはひかれると思った。そしてその人と友達になれたら安心すると思った)よーし出発〜!と手をつなぐと反抗もせずに彼はついてきたので「ついでに授業受けてこよっか?」と聞いてみたが「ウケナイ」と言うので本だけ渡して帰ってくる約束ででかけた。少しでも学校に行けたらその方がいいから。そして行く途中の道でネコじゃらしをT君がつんだので校長先生におみやげにあげれば喜ぶよ!と言うと「ウン!」と元気に言い2人で手をつなぎ、歌をうたいながら学校に行き校長先生と教頭先生とお友達になって帰ってきた。それから「学校に行かないならたくさんお手伝いしてもらうよー!学校より大変だけどがんばってね!」と言って階段と玄関の掃除や芝刈りや雑草取りと次々に用事を頼み一緒に作業した。学校に行く方が楽だなあって思わせる為と、行きたくないという気持ちは受け入れてあげようと思った。

小学校低学年の彼ともっと大きな子では対応は変えなくてはならないと思うが頭ごなしに行かない事を否定せずに一緒に本気で寄りそってくれる大人がいるという安心感が大切だと思う。それでも、どうしても行きたくない時は違う道もあると思っていいと思う。学校だけが全てではない。命を捨てる程悩んでる子にはとにかく生きていてほしいと思う。

T君は次の日学校へ行った。でもまた休みたくなったらまた一緒におそうじをしよう。大人だって仕事さぼりたい日もある。子供だって学校行きたくない日があってもおかしくはない。心の声を聞きながら一緒に一歩一歩、歩いていこうね。

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◆キャメルンからの手紙◆第53話

【"ファティマ流 命の授業"の巻】

文章:空羽(くう)ファティマ  切り絵:海扉(かいと)アラジン

 

「うわぁ!こんな所にかわいいお花!」家の前のコンクリート道のわずかな土に根をはり咲いたムスカリの花を娘が見つけた。どこからか飛んできた種なのだろう。そのたくましさ。そのけなげな姿。命。これが命というもの。。。道を歩く人に踏まれないように小石を花の周りに並べて置いておくと次の日石の数が増えていた。娘だった。

「石並べたの、ママでしょう?」「うん。せっかくがんばって咲いているのに誰かが気づかず踏んだらかわいそうだと思って。石をふやしてくれたのね?」ただママの作った囲いを見るだけの傍観者ではなく自分も花を守ろうとしてくれたこと事が私は嬉しかった。「はじめにお花をみつけた時、このままだとふまれちゃうなとか思ったりした?」私は彼女に聞いてみた。

「うん・・でもその時は急いでいたから・・」小さな声で娘は答えた。「本当に?」少し沈黙した後「石を置く事を思いつかなかったから。」と娘は正直に答えた。「そうだよね。その時はお花を守る方法がわからなかったからそのままにしていたけどママが石を周りに置いたのを見て、ああ!こうすればいいのか!って知って自分もお花の為にしてあげたくなって石をふやしてくれたんだよね。それはとても優しい行為だよ。だからごまかす必要はないんだよ。わからなかった事は正直にごまかさずに「わからなかったからその時はできなかった」と言っていいんだよ。いつも堂々としていてね。

あのムスカリのお花はコンクリートの道で土も、ちゃんとない中で種が風で吹かれてきてそこに根付き、芽を出してあんなにきれいに咲いて生きるってすごいよね。命って奇跡みたいにすごいよね。
だから大事にしないとね。守ってあげられる事には手を貸してあげようね。あの子が長く生きられるように。きれいなお花を1日でも咲かせられる様に見守ってあげようよ。」
命の大切さを学ぶのは道徳の教科書からだけではない。命は日々の暮らしの中で学ぶものだ。道端の一輪の花から教わるものなのだ。今の子供は命の重さの実感がないというのは、理屈の中でしか命を感じてないからだ。命は大切という理屈を彼らは知っている。でもわずかな土の中からけんめいに咲く花の美しさに足を止める心と時間のゆとりがないのだ。その花が踏まれて折れる痛々しい姿を想像する力がないのだ。。。

仲間はずれにされたら悲しい。ぶたれたら痛い。花は踏まれたら折れる。

〜したら〜するという想像力は急に育つものではない。小さい頃から生活の中で1つ1つ子供の心に問いかけ、感じさせ、気付かせるものなのだ。優しさは学ぶものではなく感じる心が育てるものなのだ。

1輪の花の命の美しさと、はかなさを感じられる子は友達の命も自分の命の大切さもきちんとわかる子に育つだろう。命そのぬくもり。そのあたたかさ。命、この世で最も大切なその重さを感じない前に他にする事なんて1つもないのだ。

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◆キャメルンからの手紙◆第52話

【「服は1番身近な自己表現!」の巻】

文章:空羽(くう)ファティマ  切り絵:海扉(かいと)アラジン

 

街を歩く60才以上のおしゃれな女性を撮った写真集が大人気だ。

「OVER60 Street Snap」「Advanced Style」私も買った。若い子にはこんな味と迫力は絶対に出せないなぁ〜とうなった。

カッコイイ!!とにかくカッコイイ!それは服そのものではなく自分が選んだその大好きな服を身にまとうからこそカッコイイ。彼女達が半世紀をかけてそれこそ必死に生き抜いてきたであろうそのパワーが服を通して光り輝いているからカッコイイ。私は娘にとにかく堂々としていなさいと教えている。人から何て言われても自分が良いと思う事はしていいよと。そして堂々と出来る事だけをしなさいと。この写真集に載っている人達は皆、堂々としている。きっと今迄にいろんな事を周りから言われてきたであろうにそれをハネのけるパワーがある。日本は人目を気にして協調性を重んじる国だ。いかに出る杭にならないかを気にする国民性があり私もずっとずっとそこにぶつかって生きてきた。でも結局は人は自分の心が命じた事しか出来ないししたくないものだ。どんなにがまんしてもそれは長くは続きはしない。いいのだ。着たい服を着てやりたい事をやり言いたい事を言い、つきあいたい人とつきあい行きたい場所に行こう。人は自由なのだ。ただその責任も取らなくてはならない。そこも含めての自由をかち取ろう。なるようにしかならない、ということは、、なるようになるということだ。大丈夫。いつかは誰でも死んじゃうのだから。それまでのことだもの。

人の一生なんてあっという間。私ももう52。昔の人ならもう死んでる年。あとはおまけだ。今迄以上にやりたいようにやるぞ。愛梨ちゃんが6年の人生を生ききったように私も私に与えられた命を生ききりたい。体は魂を乗せる入れ物。魂は運転手。体は車。車は古くなったら乗り換える。そうして命は続いていく。私は前世というものがあるような気分がしているから。だから今世限りの体ならその体をまとう服は思いっきり自分らしく。楽しく。おしゃれしよう。年だから…なんて考えないで。年取ったからこそ出る味を着こなして。私はファンキーなオババになりたい。周りがあきれる位ハデな色も着るおばあちゃんになりたい。カッコイイ魔女のおばばになりたい。長いホウキをさっそうとまたぎ大空を飛ぶ姿が似合うおばばになりたい。年を取る事は悪い事じゃあない。若い頃はあんなに悩んでた事が小さな事に今は思えるし何より生きているだけで充分と心から思えるようになれたことは私を楽にしてくれた。年を取る事は感謝する心が増えていく事だと思う。若い頃は欲しい物がたくさんあってたりないものがあふれていた。自信がなくていつも何かを探していた。今の私はもう欲しい物は何もない。元気な体、それだけで充分。その命に着せる服はやっぱり素敵な方がいい。

もう外は春。さあいつもより明るい服を着て外に出かけてみませんか?

服は一番身近な自己表現。。。の道具なのだから。

あなたらしさを着て。

あなたらしさを遊んで
(^_^)


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◆キャメルンからの手紙◆第51話

【震災4年目…体験した者にしかわからない苦しみだから… の巻】

文章:空羽(くう)ファティマ  切り絵:海扉(かいと)アラジン

 

子どもを亡くしたお母さんが人から言われて傷つく言葉は「私も子供がいますからお気持ち分かります」だと取材を受けた時にある記者から聞いた。その言葉の持つ重さにズシンとくる。子供を亡くすという人の世でおそらく最も耐え難き哀しみは他人には想像すら出来まい。震災で亡くなった6才の愛梨ちゃんの絵本の出版したがそこだけは肝に命じて執筆しママの美香さんと接してきたつもりだ。そう、手を焼く程、元気で反抗できてる子を持つ親にはその胸がえぐられる程の胸の痛みはわからない。わからないからこそ、せめて気持ちは寄り添いたいと思う。この3月であの地獄のような東北大震災から4年になる。世の中は忙しく全ての事を過去に流してしまいがちだ。でも当事者は今も苦しみの中にいる。忘れずにいる事は被災地の為だと思っている人が多いがそれは違う。あの震災は平和ボケしたこの 便利な文明に慣れきった私達にカツを入れてくれた。毎日の計画停電では湯タンポを抱いて過ごしローソクで明かりを取った。スイッチ1つで電気が使えた生活が当たり前ではなかったと知った日。コンビニの看板も暗かった事が今では嘘の様に何事もなかったみたいだ。でもそれでいいのだろうか?何もなかったわけではけしてないのに。原発事故も停電も人の記憶も、あの日がなかったようになっている事に抵抗を感じるのは私だけだろうか?元通りにならない人々が東北にはたくさんいる。二度と帰ってこない家族。二度と戻れない長年暮らした家。仲良しの御近所同士のたわいのない会話。自然に囲まれた穏やかな幸せな日々はもう戻ってはこないのだ。希望を失くした自殺者も増えている。だからせめて心ある人よ。風化なんて簡単な一語であの日を片付けないでほしい。人間は皆、おろかな生き物だ。失ってみてそれがどんなに幸せな事だったかはじめて気付く。だから今、私達に出来る事は忘れない事。あの日学んだ事を。日々の尊さ、生きてる奇跡。当たり前の事なんて何1つなかった。だから今私達に出来る事は何か?を心に聞きながら"今ある命"を大切に生きていきましょう。私自身は3月15日に被災地に朗読コンサートに行ったり愛梨ちゃんの本の朗読CDを東北の小中学校や点字図書館に送ったり日々の尊さと命をテーマにした、キャメルンシリーズの本の朗読&講演会を続けて私の言葉で被災地を応援しつづけていきます。"命を語れる言葉もそれを語れる者もいない"と思いつつ。そうと知りつつペンを持ち、そうと知りつつ本を生む。けれど私1人で出来る事には限界があります。だからみんなで心を1つにして東北にエールを送り続けましょう。愛梨ちゃんの本の収益金は必要経費を除き全て被災地に寄付します。本の感想なども頂けたらママの美香さんも喜ぶと思います。小さな事でいいのです。あなたの"想い"を形にして下さい。
忘れるまい。あの日の哀しみ。
あの日の痛み。
血が引けたあの津波の映像。
全てが泥の中に消えていったあの日。。。あの日を日本の方向転換にしよう。

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◆キャメルンからの手紙◆第50話

【「あなたをママと呼びたくて…天から舞い降りた命」完成!! の巻】

文章:空羽(くう)ファティマ  切り絵:海扉(かいと)アラジン  本の絵: NILE

 

みなさんの愛と想いがいっぱいつまった愛梨ちゃんの生きた証の絵本がついに完成しました!

収益は震災遺児の為に寄付します。本の制作や朗読CDに協力してくれた全ての方はみな無償で愛梨ちゃんの為に心を尽くしてくれました。

3月15日には学校単位で募金活動してくれた宮城県の斎川小学校に本をお披露目朗読コンサートに行き、その様子は再びNHKで放送されます。

2014はたくさんの災害や哀しい事件があった年でしたがこの本を作ってみて人間ってやっぱりいいな、みんなあったかいなって心から思えて嬉しくなりました。天使になった愛梨ちゃんは人の持つ心の優しさをチョンチョンと刺激してくれる力を持っていると思います。

生きているとつらい事もありますがわずか6才の女の子がこわがって泣きじゃくるお友達に命が尽きるその瞬間までおうたを歌い励ましたその行為を想う時、私達大人も、もっとがんばれると力をもらえる気がします。本はすでにライオンズクラブや学校から予約を頂いていてみんなが愛梨ちゃんの本の中での新たな人生のスタートを楽しみにしてくれていることがうれしくてたまりません。本によってお金の利益を受ける制作側の人は誰1人いないのにこの本に関われたり、本を手に取った人はみんなが優しくあたたかな気持ちになれて生きていることのありがたさや日々の尊さ、かけがえのない命ということをその胸に抱きしめられる気持ちになれるのです。

私は初めは愛梨ちゃんの為にこの本を作ろうと思っていましたが私自身が逆に愛梨ちゃんにたくさんのものをもらい学ばせてもらったと今は思っています。こんなに毎日"命"ということについて本気で向い合い続けた日々は愛犬ポロンを看取った時以来でした。この本は大切な人を亡くした方も読まれると思います。どんなに言葉を尽くしても、あたたかな体が冷たくなってしまうことはやはり哀しいしさみしいし会いたいのは当然です。どんなに人気が出て本が売れたとしてもママからしたら生きていてくれた方がよかったのは当然です。それでも亡くなってしまった今はその現実をどんなにつらくても受け入れて先に進んでいくしか、残された者には道はないのでしょう。

いつの日か天国で再会した日には「がんばって生きてきたよ」と堂々と言える生き方をしたいとママ、美香さんが言っていたように…。それが出来るのは美香さんが強い人ではなく娘への愛が背中を押しているのだと思います。人はみな弱い。心がくずれそうになる事がある。その時その人を支えるのは強さではなく想いの力だと思うのです。

この本は言葉の限界を知りつつそこを越えた何かを表現しようと私の持てる力の全てを使って生みだした一冊です。それを支えてくれたのは互いを想う愛梨ちゃん親子の愛と、会ったこともないみなさんの募金という優しさでした。
心からありがとうございました。

 

 

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あなたをママと呼びたくて…天から舞い降りた命

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