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キャメルンからの手紙

キャメルングループの様々な活動をはしもとランドが取材!
ニュース・シリーズとしてお届けしています。今回は2010年のトピックスです。

2010年12月21日─伊勢崎市立あずま中学校

<企画室リポート03>2010年12月21日─伊勢崎市立あずま中学校

Meg

「人前でお話しするのは、苦手なんです。

でも今日はね、私がどうして、こんな可愛い絵が描けるようになったか話すね」

伊勢崎の東中学1年生6クラス240名の生徒の前で緊張気味のMegさんが自分の事を話し始めた。

 

「私、ヤンキーだったの。ヤンキーって、知ってる?不良のこと」語りかけるように話始めた。

Megさんの後ろには大きなスクリーンがあり、荒んだきつい目をした暴走族だった頃の写真が映っている。

「怖いでしょ?私、こんなだったの!家族の虐待にあっていて、頑張って100点とっても、カンニングしたんだろうて疑われ、麻袋に入れられ、夜中に山に捨てら、木にしばりつけ置き去りにされた。本当に辛かった。

心が壊れてしまって、悪い仲間がいるところが心地よかった。

そんな時、ファティマさんと出会ったの。ファティマさんとの出会いが私の閉ざされて、固くなった心を少しずつ溶かして変えていったの。それでもクリスマス、誕生日、お正月、家族で祝う日が近づくとつらかった思いでがよみがえり辛くて辛くて、何もかも壊してやる!!と何度もくじけそうになった。

でも自分を救うことをあきらめたくなくて、冬の寒い朝、上毛大橋をまっすぐ前を向き、凍りつき閉ざしてしまいそうな自分から本来の自分を取り戻そうと、負けるもんか!負けるもんか!と繰り返しながら、必死で走った。頬を伝う涙さえも凍りつき冷えていく。身体よりも、さみしくて閉ざしてしまう心の痛さのほうが辛かった。そんなこともあった。」

 

その話しに、講演を聞いてノートをとる私は、涙が溢れて思わずしばらくペンを止めた。

壇上にいるエメラルドグリーンのワンピースがとても良く似合っていて、いつも笑顔を忘れない今のMegさんからは、辛く苦しい過去があったことなど、微塵もうかがい知れない。

そのことがまぶしくて人間は強いものだなと教えてもらった気がした。

Megさんにとってファティマさんとの出会いが、投げやりだった生活を大きく変え、気持ちも表情も生き生きとした現在の状態にしたように、現在苦境にある人も、あきらめず頑張れば、いつか必ずこんな素敵な人生を送れるようになる、そんな思いがしました。

 

海扉(かいと)アラジン

彼女は親の敷いたレールからは、絶対に外れなかった学生時代を過ごしたという。

いつも与えられた事はきちんとこなし、宿題を忘れたことなんてなかった。いつも、いい子であった。

国立大を卒業した彼女は子供が好きだったので幼稚園の先生になった。そこで先生達から、今まで体験したことの無いイジメに遭う。

作るものは 「ヘタだ!何これ!!」「こんなの園児の見本にも、手本にもならない!!」

こんな周りの先生達の容赦のない批判の嵐に、居たたまれない毎日が続いた。

 

「私、何も出来ないんだ。私ってダメなんだ」落ち込みへこんだ。いい子として生きてきた今までの自分が、ガラガラと音をたてて崩れていった。「私、何か悪いことした?」誰に聞いても、誰も答えてくれない。人生が真っ暗になった。それは自分ではどうしようもない大きな壁だった。

 

そんな時、ファティマさんに 「切り絵やってみない?」と言われた。

何でも良いから今の自分から脱しなくちゃと思い、その帰り道にすぐコンビニでカッターを買い、 眠ることも忘れ、作品を作ることに没頭した。そして今では、ギャラリーで原画展を開けるようにまでなった。

 

社会に出るといろんな障害が待ち受けている。敷かれたレールに逆らい後ろ向きに歩くことだってある。

ほんとうの自分を活かせるのは職場だけじゃないんだよ。悩んで、へこんで、立ち止まっていたら何も進まない。自分を活かせる、自分に合ったものを探してみよう。卑屈になっているだけじゃダメ、気持ちの切り替えも大事。

自信を失った彼女は『切り絵』と出会い、生まれて初めて希望と自信というレールを自分の手で敷いた。作品を作るとき下書きはしないという。人生に下書きはないからだ。

 

 

2010年12月20日〜30日─ヤマダ電気 アートギャラリー

<企画室リポート02>2010年12月20日〜30日─ヤマダ電気 アートギャラリー

新作の「黒い孔雀ウパシナとの出会い」と「魔女っ子ナイルのひとり旅」の原画展がヤマダ電気LABI1高崎のアートギャラリーで2010年12月20日〜30日に開催された。

 

展示してある作品は約50点。

どれもがすばらしく1点1点の作品に作り手の気持ちが伝わって来るのが感じられる。自然に作品の中に吸い込まれて行き物語りの中の一人になって行く様な気持ちにさえなる。観た人達はきっときっと心が温められ幸せな気持ちになれると思う。

 

「海扉アラジン」

デザインカッターを使って緻密に切られた絵は、登場するキャラクターを鉛筆で描いてから、背景を切り抜いていく。背景の細かい下書きはせず、全体的なイメージをもちながら、切り進めるという。驚くのは、一枚の紙が、途切れるところなく繋がり、レースのように出来上がっていることだ。切り絵は輪郭がはっきりとして強い印象を与えるものだが、和紙の色合いが切り絵に表情を与え、奥深い世界を幻想的に描きだしており、目を奪われる。

 

「Meg」

1つ1つにどれだけの想いを込めて描かれているのか。それがわかるのは、じっとみているとキャラクターたちが見る者に、表情豊かに語りかけてくるからだ。ルーペを使って描くという細かい絵は、色鉛筆を針のように細く削り、慎重に塗っていく。お部屋の中のおもちゃや、かわいい小物たち。空から見下ろす街並などは、一軒一軒色も形も異なる。見るたびに新しい発見があり、大人も子供も、何度見てもわくわくするはず。こんな絵本はそうはない!「これは?!」と思うキャラクターを探しだしてみてくださいね。(絵のなかの秘密の答えは、本のあとがきの中!)

▲黒い孔雀ウパシナとの出会いの原画
海扉(かいと)アラジン

 

▲黒い孔雀ウパシナとの出会いの原画
海扉(かいと)アラジン

 

▲魔女っ子ナイルのひとり旅の原画 Meg

 

▲魔女っ子ナイルのひとり旅の原画 Meg

 

 

 

2010年12月28日─前橋プラザ元気21 こども図書館

<企画室リポート01>2010年12月28日─前橋プラザ元気21 こども図書館

鳴り響くギター。フラメンコの足音。

図書館内の離れた一室で、一体何のコンサートが始まるのだろう。キャメルンシリーズ新作の朗読&講演会(2010年12月)のオープニングであった。

この定期朗読会は、リピーターも多く参加者自身がキャメルンシリーズを描いたり、BGMを作曲・演奏することもある。今回のようにプロのギタリスト(小室ひろさん)やフラメンコダンサー(宮田恵さん)方が華を添えることもある。受け身ではなく、参加者同志が表現し合う場ともなっているようだ。空羽ファティマの"表現する"ことへの想いの表れである。

 

朗読したキャメルンシリーズは、2010年12月に出版されたばかりの「黒い孔雀ウパシナとの出会い」に登場する孔雀ウパシナの続編であった。BGMはジャズピアニスト(西澤雅枝さん)。おしゃれである。朗読と講演の後、参加者自身が積極的に物語についての感想や、自身の思いを述べていたことだった。それぞれの立場で、今感じている事を語り、それを聞き合うということは互いに学びとなるということを肌で感じた。

初めての参加者も皆、自分の思いをストレートに語っていた。ここまでざっくばらんに意見交換のできる場は貴重である。こういう草の根的な会から、世界は変わっていくのかもしれない。一つ一つの小さな積み重ねが世界を変える一歩だ、と確信した時間だった。声をあげよう!命を輝かせよう!私たちは、やっとやっと生まれてきた大切な大切な命なのだから!こんな空羽の濃い話をゆっくり聞けるようにと、隣の部屋ではスタッフ達が大切なお子さんを、責任を持って託児している。

一人で思いつめてしまう育児ママの思いに共感すればこその配慮である。是非とも多くの方に足を運んでいただきたい。きっと、今のあなたに必要な何かを感じられるはずである。

▲空羽(くう)ファティマ

 

▲小室ひろ

 

▲宮田 恵